夜空の「いて座」
こんにちは、かえるさんです。今回は夜空にある、いて座、それにまつわる神話のお話をします。ホロスコープで性格を分析する為に役に立つお話です。ぜひごらん下さい。
だいたい、８月から９月頃に見えます。
なんか、さそり座もそうだったけど、期間が短くなってない？
そうですね。空高くに昇らず、南の方を低く通るので、すぐ見えなくなっちゃうんです。さそり座もそうなのですが、いて座は一等星も無いので、より見つけにくいです。
あ、じゃあ、本当に短いんだね。
８月下旬頃の夜８時くらいに見れば、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座などが見えます。
いて座は、英語では、ミルクディッパー（ミルクさじ）と呼ばれる、南斗六星が有名です。
あー、北斗七星みたいなのがあるね、天の川は英語でミルキーウェイだもんね。だから、ミルクさじなんだ。
この南斗六星を見つければ、いて座はむしろ見つけやすくなりますよ。
へ～。
「いて座」の神話
いて座はさ、下半身が馬じゃん、上半身は人だよね。だから、ケンタウロスだと思うんだけど、星座の絵からみると下半身の所あんまり星無いじゃん。
まあ、星座って元から星なんか大して気にして無いですよ、いつも説得力無いでしょ。とは言え、いて座はケンタウロスじゃなくて、サテュロスだ、って言う人もいるそうです。ケンタウロスは弓なんか使わない、とか言ってるらしいですが、
そもそもいないよ、って感じで聞き流してください。ケンタウロスなんです。
それは言っちゃダメでしょ。
神話は占星術的に重要なので、良く判ってない人にいじられると整合性がなくなるんで困るんですよ。
この、いて座のケンタウロスは、ケイロンと言う、乱暴者が多い、ケンタウロス族の中では変わっていて、大人しく大変勤勉なケンタウロスでした。
へー。
ちなみに父親はゼウスに倒されたクロノスです。クロノスは、レアーと言う妻が居たのですが、レアーに隠れて、ニンフ（妖精のようなもの）と作った子供が、ケイロンです。その時に、クロノスが、レアーの目を盗む為に、馬の姿だったので、ケイロンは半人半馬の姿になりました。
え！ケンタウロスのお父さんとお母さんはケンタウロスじゃないの！！
気付いちゃいましたか。神話は意味の方が重要だから、そういうの気にしないで下さい。占星術的な整合性が重要なんです。
まあ、たしかに、表面的なストーリーの方がおかしいよね。うっかり踏まれたカニとか、浮気ばっかりの神様の王とか。
そうなんです。で、ケイロンは本当に勉強家でアポロンから、音楽、医学などを学び、狩猟の女神、アルテミスから、弓を学び、医師として日々暮らしました。
そして、ヘラクレスや、黄金羊毛皮で有名なアルゴノーツのイアーソン、カストール等数々の英雄の師匠として、馬術や、弓、医術等を教えました。
すごいな、教わっただけじゃなくて、英雄に教えるほどになったんだね。
ある日、弟子のヘラクレスが、他の弟子とケンカになりヘラクレスが弓を放ったので、ケイロンが止めに入ったのですが、なんとヘラクレスの放った矢がケイロンに当たってしまいました。
あらまー。
しかも、ヘラクレスの矢には、かに座のお話の時に戦ったヒュドラーの毒が塗ってあり大変なことになりました。
バカじゃないの！！ケンカの時にそんな弓矢使うなんて！！
それで、すごく苦しいのですが、ケイロンは神の子なので死にません。
そこで、ヘラクレスはゼウスに、ケイロンの安楽死をお願いしました。
えー！！勝手なことすんなって！！助かるかもしれないじゃん！！諦め早っ！！
ゼウスはそれを受け入れたので、ケイロンは「不死の力」をプロメテウスに譲って、お亡くなりになりました。
そして、ゼウスはケイロンの死を惜しみ彼を星座にしました。
神話の意味
なんやねん、この話！ヘラクレスは自分の子供も師匠も、うっかりじゃ済まないでしょ！
まず、ケイロンはクロノスの子供ですから、時間や、可能性の制限、否定の意味を持っています。
あーそうだねー、いて座の支配星は、木星、肯定、可能性、とかの意味だもんね。不思議だな。ケイロンは、いて座だもんね。
これは、否定、上手くいかない、という気持ちを振り切るには、たくさん勉強する、学ぶこと、だということですね。
そうか、「土星」的なクロノスから生まれた、ケイロンが、いて座になるには何が必要なのか、ということか。
で、ヘラクレスは、ゼウスの息子ですよ、そのヘラクレスに殺された、と言うことは、言いかえれば、土星から生まれて見事に、いて座になった、と言うことです。
そうか、バカ弟子だな、と思ったけどケイロンの学びが、ついに可能性を信じる強さに結実したんだ。否定から肯定になるのに必要なのは実力と自信だ。やっぱ勉強は大切だね！しないけど！
しないって…。断言しないで下さいよ。まあ、いいや。
さらに重要なのは、不死をプロメテウスに譲った所です。
そこが一番判らん。
プロメテウスは、カンタンに言えば「水星」タロットでは「魔術師」です。星座で言えば、ふたご座、おとめ座です、学ぶこと、コミュニケーションを意味します。そして改革の意味もあるので、みずがめ座的、天王星的でもあります。
「生命の樹」では「２」「コクマー（叡智）」に対応します。
今までの、勉強、哲学が、新発明などを生む、と言うことです。ケイロンの死、すなわち、哲学、思考の実現化なのです。
プロメテウスは、どんな神様なの？
ゼウスに逆らって、人類に火をもたらした神様です。
なんだよ、ゼウス、ケチケチすんなって、火がなきゃ寒いじゃんよ。プロメテウスはえらいな。
でも、ゼウスの思ったとおり人間はすぐに火を殺し合いの道具にしました。
あ、そーか。でも、人間の知恵の発達は、火と共にあるとも言えるよね。文明の象徴だ。
そういう意味で、ケイロンの知識や哲学が、現実の発明や文明の発達になっていくことを、不死の譲渡で表現しているんですね。
いて座は、その意味で、考える、までが、いて座の仕事なんだね。たしかに、この話は、いて座のことが色々わかる話だね。
ちなみに火を人類に与えた、プロメテウスは、ゼウスに捕まり、カウカーソス山につながれ、毎日、鷲に肝臓を食べられる刑を受けたが、不死であったため長い間苦しみ続けました。
それを助けたのは、ヘラクレスでした。
あらあら、大変だったのね、でも、ヘラクレスが助けたんだ、良かったね。
苦しみ続けたのは、やはり火によってもたらされた文明の負の部分による、人類の苦しみをあらわしています。そして、それを開放できるとしたら、哲学、人間の善意だ、ということが、ヘラクレスによる救出で表現されています。
これは、便利さを思い採用してみたら、取り返しが付かないことになった、しかし、もう戻ることは出来ません。
なるほどね。人類は武器を捨てることは出来ないもんね。
あと、いて座は、バビロニアの時代は「蠍人間」でした。
なにそれ？！かっこわる！
学ぶことは、まさに生まれ変わることです、その意味では、さそり座的な極限状態からの生まれ変わりの意味も関係があります。
そして、話の初めで言った、粗暴なケンタウロス族の中で、珍しい大人しい性格のケイロン、と言いましたね。
教養、学ぶことが、いて座を成長させる、ってことか、そうでないと、ただの乱暴ものになりかねない、ってことか。
学ぶことが、さまざまな可能性を生むのです。
たしかに、こうなったらいいなー、ああなったらいいなー、なんていくら考えても何も起こらないもんね。
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