「月」
こんにちは、今回はタロットカードの「月」です。うお座のカードですから、ホロスコープで性格を判断する時も役に立ちますので、西洋占星術のファンの方もぜひごらん下さい。
「月」なのに、かに座じゃなくって、うお座?
紛らわしくて申し訳ないのですが、タロットの「月」は、西洋占星術の惑星「月」では無いんですよ、うお座のカード「月」なのです。
えー!
キチンと深い意味があるので仕方の無い名前なのです。
うお座、と言うとどんなイメージですか?
なんか癒し系のやさしいイメージかな、メルヘンチックな。
そうですよね、そのメルヘンチックですが、メルヘンはドイツ語ですね、おとぎ話、童話などと言う意味ですね、そこにチックって付いている、和製英語です。
あ、そういう意味なんだ。童話って結構えげつないのもあるね。イメージと違っていたわ。
可愛らしい、ふわふわしたイメージのみでしたか?そもそも、そのふわふわした感じ、いわゆるメルヘンチックと言うのは何でしょうね。
うーん、現実的じゃない、ってことかな。
そうですね、童話や言い伝えにも、教訓のあるものや、楽しいもの、もあれば人間の恐ろしさや性質を描いたものもありますね。
普通と違う視点、みんなが見ているのとは違う視点とも言えます。
なるほど。
それが、昼の世界ではない夜の世界「月」なんです。
おお、それが、うお座の「月」の世界なんだ。
だから、有名なタロットでも、イラストが月か太陽か判りにくい表現で描かれていたりします。
変な言い方だけど「夜の太陽」としての月なのかな。
あ、いい表現です。おとぎ話風に言えば「魔女の世界」ですよ。
「魔女の世界」!
善悪ではなく全く視点の違う世界です、おとぎ話は不思議な魔法が出てきますよね。
そうだね、美女と野獣なら、野獣が急に王子様になったり、シンデレラなら時間制限でステキなドレスが元に戻ったり。
魔法の世界、ですよね。
ああ、人間は原子の塊なのに、欲望や希望を持ったり、何かをしたいと思うこと、だっけ?
それは魔術です。言葉や、人間的な活動、思考や欲望、全てが魔術と言えます。それは「太陽」「しし座」の世界です。「月」の世界は魔法です。
両者は違うんだね。
違います、魔術は物理学や医学でまだ解明出来ていない不思議だが、いつか解明される現実です。数学で言えば「X」です。単なる不定数で存在します。
でも魔法は、文法、表現の違い、イマジネーションの違いです。
結論から言えば「比喩」ですね。(比喩:ひゆ 転義法、標準的でない別の方法で表現する方法)ですから、言いようによってはこちらも現実です。
例えば?
人は器具や機械を使わずに飛ぶことは出来ませんが、良いことがあって「今の気分は空を飛んでいるよ」と言えば、飛んではいませんがウソではないでしょ。
先ほどの美女と野獣なら、相手に対する無理解によって野獣に見えていたが、信頼、信用をすること、女性の心境の変化によって、獣が美しい青年に変化することはありえるでしょう。
ああ、魔法をそう考えるのか、そう言えば神話なども近い意味があるねぇ。それにしても回りくどい。
人間には、個別に積みあがった知識があります、それによって言葉の単語の意味が変わってしまいます。それを防ぐ方法のひとつが、この魔法表現、とも言えます。
特徴は、想像の幅を残すこと、それによって、一般的な言葉では埋められない、伝えられない表現の隙間を、聞き手の情報に頼って埋めることです。
例え、を使うことで、聞く人の想像力を引き出す、それによってのみ伝わるってことだ。
そういうことです。一般的に言えば、歌の歌詞、詩なども似ていますね。
でも、その表現だと判らない人には全く判らないよ。そのリスクは?
大事なのは、伝えようの無いことなのに、伝わる人がいる、というだけで十分目的を果たしています。
なるほど。
意味は判らないけど、魔法なんて見たこと無いけど、でもファンタジーの映画がスキって言う人は、判らなくても、意味を感じるということで、いい線いっているってことです。
そう、ただ、馬鹿馬鹿しいありえない話なんじゃなくて、なんか有る気がする、っていうかひっかがるって言うか。
そうでしょ。
「後頭部」
このカードの象徴は「後頭部」です。
「後頭部」????
そうです、これも先ほどの話の続きになりますが「後頭部」じゃ無くて「前頭部」には脳の「前頭葉」がありますね。これは自制をしたり論理を思考する部分です。アルコールを摂取すると、自制心が弱まるのは「前頭葉」の働きが鈍るからですね。
だから、開放感があって気持ちいいんだよね。
ですね、で「後頭部」と言うことは、その「前頭葉」を使わない世界と言うことです。普通の論理では判らないこと、フィーリングで得るような思考、知識とも言えます。
見て考えて判る、というような知識ではなく、判らないけど見て情報を入力して、寝ている間に、脳のニューロンネットワークが成長し、ある日突然判ると言うような、言語学を学ぶ時と似たような発展を通してしか理解に至らない知識ですね。
論理は非論理の吸収をジャマしますからね。
寝てる間ねぇ。
寝なくても、ボーっとしているだけでもいいですよ。ニューロンネットワークさえ成長すればいいんです。瞑想とか。
キチンとした瞑想法とかあるの?
特に無いですね、あえて言えば、呼吸は鼻から吸って口から吐く、腹式呼吸を心がけてください。
寝るだけでもいいんですから、こんなこと教えることは何もありません。お気軽にどうぞ。タダで出来ますよ。
この「後頭部」と言う象徴が今までの話を示しているわけですね。
寝る、だけでもいい、正に夜の世界だ、それで太陽ではなく「月」なんだね。
「うお座」のカード
そう考えると、うお座の人の感覚が少し垣間見られるね。
そうですね、だから本人に聞いてもなぜか判らないけど、なんとなく、そんな気がする、なんて言うのも、うお座の考え方は基本的に言語に変換するのが難しいんですよ。
確かに、なんとなく癒されるとか、周囲に同調する感じとか不思議な感じなんだよな。
「月」という名称の中には「夜」の次には、これから朝が来る、と言う意味もあります。これは、人生全体に例えれば、死、死後への思い、恐れ、という意味もあります。
全ての星座を通して、やぎ座で物質界の頂点を極め、そこからの脱却を図る、みずがめ座。そして死と言うものを理解しないまま、次の生誕に備える、うお座の世界を表したカードがこの「月」なのです。
キチンと判らないけど、なんとなく判ったような気がする。
うお座的ですね。でも言語化出来ない抽象的なものの存在を掴むには必要な感覚です、その抽象性を表現する為に、このカードには、生死の世界の門や、エジプト神のアヌビスなどが描かれていることが多いです。
現状維持を表現するザリガニ、スカラベ(カラに守られた生物、かに座のカニの甲羅に近い意味を含む)によって、その維持を望む気持ちと、恐れる気持ちの両方を表現しているのです。
吠える犬も良く見られる象徴です、夜に月に向かって吠える犬は、見えないモノに向かって吠えることから、見えないものの存在を意味します。
古代中国でも、犬には、あの世のものが見えるという考えがあって、お祓いの時に犬を連れて行って吠えた所で犬を切るということがありました。だから、お祓いの「祓」と言う字は、示偏に切られた犬という字ですね。犬と言う字がバラバラになっているでしょ。
犬には見えるの!?
かえるさんは、犬は耳や鼻がいいから何かに気づくだけだと思いますけど。切られた犬は可愛そうですね。
「月」の意味
今までの話を踏まえて、錯覚、狂気、夢、ウソ、変化、内面的な、などのキーワードのバランスを考えてみればよろしいでしょう。
うお座の人は、ふわふわして不思議な感じだな、と思っていたけど世界観の違いなんだね。
人間の情報の多くは「眼」に依存していると言えます、その意味で、それは「やぎ座的、悪魔のカードの象徴は眼」と一致します。物質的です。「眼」から入った光情報は、脳で処理されるわけですが、その使う脳の部分が違う、と言っているのですから、感覚の違いがうかがえます。
ただ、考える=脳、と決め付けるのは少し違います。
え!!脳で考えるでしょ!!
中枢神経の無い生物もいますね、実際に生存競争に勝ち残っているから、今でもいるわけです。
脳がある生物も絶滅したものも数知れません、仮に生きることを目的と考えれば、脳の存在が必ずしも有利とは言えまえん。
そこから、考えるとは何か?という問いが生まれます。果たして脳は何をしているのか?
何をしているの!!
思考をしている、というのであれば、類推をしている、というに過ぎませんし。過去の経験を収束してあるだけといえば、コンピューターで作れそうでもありますね。
脳の我々が重視する大脳は比較的新しい部位で元をたどれば、なんとなく嫌な予感、などを経験的に察する、扁桃体(へんとうたい)が最初です。未だにこの働きのせいで、存在しないプレッシャーにつぶされてしまう人間は数多いのです。
こんなものの組み合わせが「脳」なのですが、そんな器官で行われている処理を「考える」と呼んでいることを頭の隅において置いて頂くと良いでしょう。
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