朝早く起きて
昼は汗水たらして働き
夜は旨いビールを飲んで寝る
こんな素晴しい幸せを私は体験したことが無い
ヘンリー五世
ウィリアム・シェイクスピア
ヘンリー五世
こんにちは、かえるさんです、今回は「思い通りにならない」を考えます。
シェイクスピアか、ヘンリー5世はフランスと戦って勝利した王様だね。
さっきの言葉は、ヘンリー5世の有名なセリフだね。庶民とは違う苦しみにいつも苛まされている、と言うことを表現しているよね。
そうですね、同時に、人間の幸せを上手に表現しているな、とも思います。
手元にある時はささやかなものに感じるよね。
でも、王様はスゴイ贅沢が出来るよね、飲みたければ何でも飲めるよ。
このセリフには、朝早く起きて、の所で夜ぐっすり寝ているイメージを浮かべることが出来ます。夜のビールが旨いのも心配事が無いからですね。
そう言えば、その後も汗水たらして働いているんだから、そう考えられるね。
夜ぐっすり眠れるのは幸せの象徴でもあります。
それ自体が幸せなんだ!
王様には大きな責任がありますし、昔なら身内や部下からも命を狙われやすいですし、食べ物には毒を入れられる心配もありますね、他国との軍事、外交の問題もありますし、羽を伸ばしてゆっくりする、なんてことは出来ないですしね。
外交力は即ち情報力と軍事力です、夜もおちおち眠れません、有利を築けるチャンスを逃すことは、いつか侵略される弱い国になる、ことを意味しますし、ピンチを察知することも当然、大変重要ですからね。
王様はぜいたくして好き勝手にしているイメージだったわ。
気が休まらないからそう言うことで気を紛らわす、と言うのはあるでしょうね。
心配しながらじゃ何を食べても美味しくないもんな。
幸せって難しいよね。どういう日が幸せなんだろう?
人生を振り返って、思い出せない日は、だいたい幸せなんじゃないですかね。
思い出せない日?
大したトラブルが無かったってことでしょ。
なるほど、でも、王様には大きな権力があるでしょ、イヤなヤツをやっつけるもカンタンだよ。
果たしてそうでしょうか、中国の皇帝、漢の武帝を例に考えてみましょう。
漢武大帝
中国の漢の時代の最盛期を築いて、皇帝統治の基礎的な形を作った皇帝と言われています。在位期間も紀元前141年~87年と大変長く、50年を超える在位期間の皇帝は、清の康熙帝、乾隆帝と漢武帝の3人しか居ません。
有名な皇帝だね、初代の皇帝、劉邦が勝てなかった匈奴(きょうど)に勝って、領土を最大にしたんだよね。
でも、皇帝が他の国に勝つことはそんなにすごいことなの、命令するだけじゃん。
その、命令が実行される状態、でないといけないわけですよ、軍隊を動かすにはお金もかかりますし、国内の意見も統一しなくてはいけません、多くの家臣に反対されては軍隊を動かすことは出来ません。
仮に反対する家臣が半分以上だったら?
賛成する家臣の軍隊で出兵するのは怖くありませんか?
だとすると味方は外国に出兵しちゃうのか、そして国内には反対した部下の軍隊がいる、要するに出兵できないんだ。
皇帝なんだから、反対者をやっつけちゃえば?
反対したもの同士で結託するでしょう、戦争はお金がかかりますから、増税を伴うでしょう、そうなれば民を省みない暴君として反乱が起こりかねません。
反乱を起こしても皇帝になるのは、血筋の人なのに部下はなんで反乱を起こすの?
理由を付けて、新しい皇帝を自分たちの手で作れば、その皇帝の下で自分たちの権力が大きくなるからです。
皇帝でも大きな顔は出来ないっていうことか。
反乱で誕生した皇帝はどこの国でも、いつの時代も弱い皇帝となります。
漢武帝は、それが出来たと言うことか。
そうですね、軍隊を管理下に置けていた、と言えますね。権力も安定していたと言う言い方も出来ます。
しかし、漢武帝本人は1度も匈奴との戦争には出陣していません。
やっぱり都を離れるのは怖いんだ。そういうものなんだ。
じゃあ、漢武帝はすごいんだ、偉大なのか。
まあ、すごいとも言えますが、そのお金を貯めたのはその前の皇帝たちです。
なんだ、そういうことか。自分で貯めたお金じゃないからムダ遣いした、とも言えるね。
そうも言えますね。
とは言え、戦争はお金がかかりますから、結局、国のお金は無くなり、数々の増税がなされました。塩・鉄・酒の国の専売制などが始まったのですが、こうした政策が後までの国の財政を支えたとも言えます。
特筆すべきは、この政策は、庶民の増税ではなく大商人を狙ったものだった点です。とは言え、その負担に耐えかねた庶民は大変苦しみました。反乱も数多く起こります。
そう考えると戦争なんかしなくて良かったんじゃないの。
反乱を取り締まるため厳罰化を推し進めましたが、かえって反乱や農民の流民化が進んでしまい、かえって犯罪が増えました。
そのため、犯罪多発地区の長官を取り締まるようになったので、長官たちは犯罪を隠すようになり、ますます犯罪が増えました。
そろそろ気づけよ、って感じだね。
でも、みんなで隠しているんですから、漢武帝から見れば犯罪は減ったように見えません?
ああ、そうか、政治って思ったより難しいな。
このように匈奴を倒し、朝鮮半島まで手中にした漢武帝でしたが、結局、晩年は苦労しました。
でも、在位期間も長いんでしょ。
ですから、年をとって焦った皇太子に反乱を起こされます。
あー、そうか、あんまり長生きされると皇太子は自分が先に死んじゃうかもしれないもんね。
やっぱり政治って責任重いんだね。苦労も多い。
自業自得な面もありますが、ひとつのミスが致命傷になることがあるとも言えますね。
へんな言い方ですが、最初から財政難だったらこうはならなかったかもしれません。
あー、無いとも言えないね。前の皇帝が頑張ったのが戦争の引き金とも言えるね。でも悪くはないよね、難しい。
後の時代の清王朝でも、康熙帝が使って、雍正帝が貯めて、乾隆帝が使ってますからね。
遺産も難しいね。
そう考えると、人間はどんな状態でも不満を覚えることが出来るし、どんなに権力があっても出来ないこともあります。
思い通りにならない、ってことか。
思い通りにならないはずのことを思い通りにしよう、と言う気持ちが不満を生む、とも言えますね、ムダな労力ですから。
みんなに反対されたらやめた方がいいってこと?
それは違いますね、みんなが可能なことを何の考えもなくムリだ、と言うのに従う必要はないでしょう。自分の考えで、どう考えても出来るならやってみるのも良いでしょう。
しかし、人の気持ちを思い通りにしたい、とか、ちょっとでも文句を言われたらガマン出来ない、とかそういうムチャなことは気にしてもムダだと言うことです。
思い通りにならないことは、思い通りにならない、ってことか。
そう言うことです。
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