かえるせいのおうじさま
ぼくはにわとりさん、鳥だけど飛べないのでパイロットになりました。
今は、砂漠を飛行中に飛行機が故障しまして、不時着してしまいました。飛行機を修理しようと頑張っているところです。
「あー、ついてないな。」
と、飛行機を修理していると、にわとりさんに話しかける声が聞こえてきました。
「とにも、かくにも羊の絵を描いてみてください。」
振り向いてみると、なんとなく偉そうな、かえるがいました。
「とにも、かくにも羊の絵を描いてみてください。」
「いや、今それどころじゃないんだよ、飛行機を直しているんだ。」
「じゃあ、羊の絵を描いてみてください。」
「意味が判らないけど…。」
「砂漠はね、無意識ですよ。」「無意識の向こうに自分の気持ちの源があるのです。」
「無意識って意識しなくても存在する当たり前、心のより所ってこと?」
「そうです、飛行機は空を飛ぶでしょ、とっても双子座的です。」
「双子座?」
「その飛行機が無意識の砂漠で故障したのですから、双子座的好奇心が弱まって社会に流されそうになっている、ってことですよ。」
「何だかそれっぽいこと言うね。」
「自分のやりたいことに向かいたいけど諦めてしまおう、としているのが飛行機が故障した、ってことです。」
「だったら、どうして羊の絵?」
「双子座である飛行機が故障したなら最初の星座である牡羊座をチェックするのです。」
「絵と言えば、にわとりさんは蛇の絵が得意だったんだよ。」
「蛇ってことは知恵ですね。知恵は大切です、しかし、それは自分のための自分で作った知恵なのか、単に社会の知恵に流されている知恵なのか。」
「例えば象を飲み込む大蛇は?子供のころに描いたら大人達は嫌がったよ。」
「象は天秤座ですよ、自分のルール、それが社会の知恵である大蛇に飲み込まれてるんだね。」
「そんな本当のことを言ったら皆さんさぞ嫌がったでしょう。」
「なるほど、図星だからだれも見たがらなかったのか。」
「と、いうわけで羊の絵を描いてみてください。」
「羊かー。どうやって描くのかな。こんな感じかな?」
「やっぱり!もう大人の羊じゃないですか!」
「大人の羊じゃダメなの?」
「もう従順になって、社会の言いなりになってる感じですよ。」
「本当にやりたかったこと、もう忘れちゃったな。」
「じゃあ、もう、好奇心がにわとりさんの心の中では無駄なことのようになってしまっているんでしょう。それでは飛行機はもう飛びませんよ。」
「なるほど、一理あるな。」「かえるさんはどこから来たの?どうしてここにいるの?」
「かえるさんはかえる星から来ました、かえる星の王子様です。」
「ええ!じゃあ、偉い人なの?」
「かえる星にはかえるさんとバラが一輪あるだけだから。」
「そのバラさんはどうしたの?」
「バラは嫌味と嘘が大好きだったから、かえるさんと上手く行かなかったのです。」
「バラは動けないから、かえるさんが出てきたのです。」
「ふーん。ケンカしたんだ。」
「ケンカはしていないです、ケンカは気持ちが判ってほしい時にするものだから。」
「ケンカは良いことなの?」
「ずっと一緒いたければ必要な時もありますよ。でも、諦めたので出てきたのです。」
「バラの嘘はどんな嘘なの?」
「今にして思えば、バラにとっては嘘じゃなかったのかもしれない。って思うんですが 結果として嘘だったのです。」
「どういうこと?」
「他にやることが無かったんでしょう、身を守るための嘘、とでも言うのでしょうか。」
そう言うと、かえるさんは深いため息をつきました。
かえるせいのおうじさま 第一章 終わり
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