こんにちは、かえるさんです、今回は『「雷澤帰妹」「杯の騎士」西洋占星術と宮廷牌と易』と言うお話です。
今回は「雷澤帰妹(らいたくきまい)」ですから「杯の騎士(ウェイト版では杯の王)」と対応します、ホロスコープでは「水瓶座21度~魚座20度」と対応します。
卦辞は「征凶 无攸利」ゆけばきょう よろしきところなし。
いい所ないじゃん!!
征けば凶、ですから、慌てたら大変だぞ、ってことです。魚座的ですから慌てなくていいです。
なるほど、「凶」って言う字にどうしても過剰反応してしまう。
では今回は『「雷澤帰妹」「杯の騎士」西洋占星術と宮廷牌と易』というお話です。
雷澤帰妹下卦
「初爻」は「歸妹以娣 跛能履 征吉」きまいていをもってす あしなえよくふむ ゆきてきち。
征きて凶じゃないの?
「初爻」は「陽位」に「陽」で位正しく、比せず、応じていません。(隣の爻と陰陽が違う場合、比している、つながっています。)誰からの助けもつながりもないのですが、慌てない意味で、足が弱っていれば急ぎようがない、というような感じです。
何で急に行って良いの?
「雷澤帰妹」は、ものすごく難しい卦で、言葉に惑わされやすいのですが、焦る気持ち、慌てる気持ち、言いかえれば不安を抑えて信じる心が無いとすごく苦しいです。
それはだいたいの人が苦しいじゃん。
それで「良くない卦」として扱われます、それはホロスコープで「12ハウス」が「良くないハウス」という簡単な目先だけの評価をされてしまうのと同じことです。
しかし、「雷澤帰妹」はそんな簡単な話ではありません。確かにすぐに結果を出すイメージはありません、大切な未来を信じてしっかり備えるイメージなのです。
そういえば「魚座」的なんだもんね。
そうです、しかも「水瓶座」の最後で、思い切り限界の試練に向かって行くことで悟りのようなものを得るのです。
「雷澤帰妹」は妾さんがお嫁に行く、正当な結婚ではない話、などと言われますが、話はそんなに簡単ではありません。
昔の婚姻の制度の話や、「殷」と「周」の婚姻のお話なども重なって来て、幅広い理解解釈が必要です。
「地天泰(ちてんたい)」にも出てきた「殷」は「周」に婚姻を行うことで平和を一時的に保ちますが、結局「殷」は殷の王「帝乙(ていおつ)」の代は持ちこたえますが次の王「紂王(ちゅうおう)」の代で滅びます。
その婚姻のイメージがこの「雷澤帰妹」でもあります。
じゃあ、しないといけない婚姻だけど、複雑な事情があるんだね。
ですから、することは必要なのですが、最初はある意味肩身が狭いのですが、後には「殷」の「太姒(たいじ)」は正妻になるのです。
でも「殷」は滅びちゃうんだね。
それは新しい時代の到来でもあり、新しい国に「殷」の血が根付いたとも言えますね。
「雷澤帰妹」は後につながるイメージも考えないといけないのか。
「初爻」はしっかりと慎重に難しいことに進むイメージなのです。
「二爻」は「眇能視 利幽人之貞」すがめよくみる ゆうじんのていによろし。
「眇」?
「すがめ」です、片目のよく見えない方、斜視を指します。
「二爻」は「中」を得ています、バランスを取ることが大切なイメージです。
そして、「五爻」に応じていますし、「三爻」に比しています。これは後々につながるイメージですね、しかし「陰位」に「陽」ですから、位、不正です。強く、焦る気持ちを持ちがちですが、自分が良く見えないため、大人しくしていれば正しい、ということです。
象徴としては「眼が見えない」は「上辺にごまかされない」という意味でもあります。
結局は大人しくしていなさい、ってことなんだね。
「三爻」は「歸妹以須 反歸以娣」きまいまつをもってす かえりとつぐにていをもってす。
「三爻」は「陽位」に「陰」位、不正ですが、「二爻」「四爻」と比しています。しかし「上爻」には応じていません。
なんだか、難しいな。
新たな段階の「四爻」に向かって強い気持ちを持ちたいが持つことが出来ない、その代わり周囲とはつながっています。ただ「上爻」は「陰位」に「陰」位正しいのですが、「雷澤帰妹」では成果はありません。
えー。
そうやってすぐ結果ばかり考えると、自分の力ではどうすることも出来ないことを単に「不幸」と考えてしまいます。
そうか、魚座の「癒す心」と「信じる気持ち」が大切なのか。
結末を知らないから不安なのですが結末を知らないからこそ待てる、という心境もあります。
力が弱いので、慌てて成果を欲しがると、結婚に失敗し、故郷に帰って自分の妹が代わりに結婚する、という様な事です。
どういうこと?
焦っても上手く行かないから、慌てるな、ってことです。
この人の結婚が上手く行かないと妹が結婚しちゃうの?
昔は結婚する時にお姉さんに何かあった時のために、妹をセットで婚姻させる習慣があったのです。
えー!ひどいな。何かあった時って?
病気や子供を産めない時です。昔ですからね。
雷澤帰妹上卦
「四爻」は「歸妹愆期 遲歸有時」いもうとをとつがするにきをすごす とつぐをまつことときあり。
「四爻」は「初爻」に応ぜず、「陰位」の「陽」で位、不正です。しかし「三爻」「五爻」に比しています。
なんだか「雷澤帰妹」の真ん中辺りは「比」してるね。
先々ばかりではなく、「今をしっかりつなぐ」というイメージですね。
それにしても、待て、待て、ばっかりだね。
そうですね、爻辞は、婚期は過ぎたが、いつかその時は来るだろう、ということです。
結局、焦るな、ってことか。全部一緒じゃん。
焦るな、未来を信じて、今をしっかり過ごす、その基本は変わりませんが、どういう段階なのか、をしっかり考えることが大切です。
「婚期」は恋愛、結婚的な意味もありますが、自分の使命や仕事との「結婚」も意味します。
「五爻」は「帝乙歸妹 其君之袂不如其娣之袂良 月幾望 吉」ていおつまいをとつがしむ そのきみのべいはそのていのべいによきにしかず つきぼうにちかし きち。
これは「袂(べい)」が良い、というのは、当時の貴族の身分を刺繡の立派さで表すことを言っています。
君の袂より、君の娣の袂が良いのですから、将来、その夫はより高い身分になる、という予言です。
「殷」より「周」の「文王」の奥さんの方が偉くなる、ってことか。
ただ、「月望に幾(ちか)し」ですから、もう少し先のことです。それを吉、と言っています。そして「中」を得ていることも重要です。
今じゃないんだ、なるほどね。易は細かいな。
いえいえ、易ももちろんですがタロットもしっかり読めばかなり細かいですよ。占いはそういうものなのです。
「五爻」は「陽位」に「陰」で位、不正、しかし「二爻」に応じています。「上爻」に比していませんが、「四爻」に比しています。
想いは形にならないけど、支えられているイメージですね。ただ、まだ自分ではどうなるかは判らない感じです。
結果は判らないし、先行きも不安なはずだけど、何かを信じているんだね。魚座っぽい。
「上爻」は「女承筐无實 士刲羊无血 无攸利」じょきょうをうけてみなく しひつじをさきてちなし よろしきところなし。
え!ダメだったの?!
慌てるな、ということです。
いや、終わっちゃうし。終わっちゃったし。
このイメージは「五十五番目」の「雷火豊(らいかほう)」に続きます。
十二星座的には「牡羊座」に続きますね。
そっか、魚座だから、完全な癒し、憧れの醸成なんだね。
魚座に太陽がある人は「癒すのが目標」になるから、夢と希望、癒しを与えるのです。
でも、箱を開けて中身は空、羊を割いても血も出ない、イイこと無い、って言い過ぎじゃない?
「太姒」は平和のために嫁いだのですが、それは成りませんでした、しかし、そのおかげで「殷」の血は引き継がれ、新しい時代の役に立つのです。
当ては外れたけど、それでいいのか。
そうです、当ては外れたけど、それを最初から知っていたような感じ、それが「雷澤帰妹」「魚座」なのです。
理由を聞かれても判らないけど、とにかくそんな気がする、ってやつか。
「上爻」は「陰位」に「陰」で位、正しいのですが、「五爻」に比してませんし、「三爻」に応じてもいません。
どういうこと?
ただ、控えているのが正しい、ということです。
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